第2回目の最終回です。 今回はH29春 午後の問4 ネットワークの問題です。
平日の業務後に実施しているので、1回につき大問3つくらいまでが現実的ですね。 彼も業務で携わっていた分野なので、期待できそうです。というのが開始前の印象。
レクチャーを実施するに至った経緯は下記を参照ください。 www.it-enjoy.com
最初に話したこと
- 計算問題で図があるなら、数字を書き込むべし
- 無ければ図を描くべし
- ビットとバイトの変換に注意するべし
H29春 午後 問4
設問1 a, b
自信があったようですが数字や記号がたくさん出てきたので頭を抱えていました。 落ち着いて図中に数字を書き込むのが良いと説明しました。
a は単位時間に送信できるデータ量です。 最大データ長が書いてあるので、これを最大データ長を送信するときの待ち時間で割ればOKです。
1460×8(バイト→ビット変換) ÷ (101.5+248+16+24)
基本情報の計算問題は、問題文に書いてある数字が計算に使われ、四則演算ができれば解ける問題ばかりの印象なので、萎縮する必要はありません。
b は図を描くのが重要です。 1人から話しかけられるのと、2人から同時に話しかけられるのと、 どちらが速やかに応答できるか?と助言しました。
もう少し考えるのであれば、 1度に送付できる最大データ量は1460バイトで、送りたいデータは1Mバイトです。 最大データ量で送り続けても、100万÷1460なので684回以上送り続ける必要があります。 684回×図1の(3)と(6)の待ち時間が通信相手毎にかかってしまいます。
設問2 c1, c2
ポイントは下記です。
他の機器がフレームを送信していなければ、W1だけ待機する。
設問1のbと同じく、1Mバイトのデータを送りたいので、 684回以上もデータを送信する必要があります。 データ送信回数が増えることで、各データ送信の間の待ち時間が毎回カウントされるので、 効率が良くなることはないと考えます。そのため、効率が悪くなるという選択肢が正解です。 なので、(ウ)〜(カ)は除外できるのではないか、と助言しました。
そして、増加する待機時間はW1だけか?ということを考えれば良いです。
設問3
どれもそれらしい選択肢なのですが、「伝送効率」を考えることが目的です。 ここまでくると彼も「待ち時間」に着目すべきということに気づきました。
物理層の通信速度が増えたところで、最大データ長は変わりません。 なので、最大データ長のデータを送信する都度発生する待ち時間を減らすことはできません。
道路の幅を広げても、一度に運べる荷物の量は変わらない。 という理解の仕方で良いと思います。
仮に、最大データ長を増やす、という選択肢があれば正解になります。
解答
設問1 a: 「ウ」 b: 「ア」
設問2 c1, c2: 「ア」
設問3 「イ」