ネットワーク機器によって、バックアップとリストアの方法は異なります。
Ciscoであれば設定前に「show run」を取得する、という感じになりますが、 その状態に戻す際、「write erase」で保存済み設定を削除してから 「reload」で再起動し、取得した「show run」を貼り付けている方もいるのではないでしょうか。
例えば、下記を投入するなら、
interface gi0/0 description hogehoge
このような戻し設定を準備しているはずです。 これが意外と手間なのです。
interface gi0/0 no description
効率化できるところはしていきましょう。 機器に用意されたデフォルトの機能で、一度に丸ごと設定を戻せる方法を紹介します。 なお、私が知っている機器で、バックアップやリストアがGUIのダウンロード、アップロードのみの機器は省いています。
Cisco IOS / Cisco IOS-XE
事前にflashに保存しておいて、config replace で読み込む例です。 もちろんflash限定ではなく、TFTPサーバ等も利用可能です。
flashへ保存することを思い付いて、 copy flash: running-config としてしまい、設定が混ざってしまった なんていう経験者も多いのではないでしょうか。
下記のように投入すれば、いつでもbefore.cfgの状態に戻すことができます。
copy run flash:before.cfg config replace flash:before.cfg
Cisco IOS-XR
指定のcommit IDを取り消すという動作です。 commit comment <コメント文字列>で該当箇所をわかりやすくし、 rollback configuration で取り消すというイメージです。 rollback configuration to で所定のcommit IDまで全て取り消すこともできます。
commit comment add_Gi0/0/0/1_hogehoge end show configuration commit list detail Thu Jan 30 23:07:35.043 JST 1) CommitId: 1000000382 UserId: admin Client: CLI Comment: add_Gi0/0/0/1_hogehoge rollback configuration 1000000382
Cisco ASA
一般にASDMの機能を利用します。 慣れれば、「backup」「restore」コマンドも活用すると良いでしょう。
バックアップ
[Tools]→[Backup Configurations]をクリックします。
[Browse Local...]で保存先とファイル名を指定して[Backup]をクリックします。
サーバ証明書(Identify Certificate)が含まれている際はパスワードを指定し、[OK]をクリックします。 デフォルトは「cisco」です。
バックアップが始まり、次第に完了します。
リストア
[Tools]→[Restore Configurations]をクリックします。
バックアップしたファイルを選択し、[Select File]をクリックします。
[Next]をクリックします。
全てにチェックを入れて[Restore]をクリックします。
バックアップする際に指定したサーバ証明書のパスワードを入力し、[OK]をクリックします。
[Replace]をクリックします。
Junos
IOS-XRとコマンドは似ていますが、IOS-XRが指定のcommit IDを取り消すのに対し、 Junosは指定したcommitが完了した時点の設定に戻します。
commit comment <コメント文字列> して、show system commitで確認し、 rollback <数値>