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ネットワークにおける渡りとは?

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商用ネットワーク環境においては、同じ役割の機器を2台用意し、 1台が故障しても通信を継続できる構成(冗長化)にしておくことが一般的です。

正式な定義ではなさそうですが、 同じ役割の機器同士を接続するリンクのことを「渡り」と呼ぶことが実務上多いです。 ノード間リンクやインターリンクとも呼ばれます。

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機器のどちらかを指定するのは様々な呼び方がありますが、 これらの間を接続していればいずれも「渡り」と呼ばれています。

  • 正系 / 副系
  • 主系 / 従系
  • 現用系 / 待機系
  • 1号機 / 2号機
  • Active / Standby
  • Primary / Secondary

ちなみに、金融系のシステム等は3台以上の冗長構成をとることもあります。 この場合は間にスイッチを挟む構成になります。

なぜ「渡り」と呼ぶか??

起源はわかりませんでしたが、 障害発生時、下記のように機器間を渡って通信するので、 「渡り」と呼ぶようになったと推測しています。

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他に「渡り」の役割は?

前述のとおり、迂回通信に使う他には、 下記のような例があります。

  • ルーティング情報を交換する(主にルータ)
  • セッション情報を同期(主にロードバランサ)
  • 設定情報を同期(HA構成の様々な機器)
  • 互いの死活監視※ハートビート(HA構成の様々な機器)

上記のとおり、重要な役割を担っているので、 「渡り」自体も冗長化する構成が多いです。